Special Talk Session #64
第1回キネティックノベル大賞受賞
ばーど×吐息 特別対談 with 魁

ビジュアルアーツが主催している新人登竜門『キネティックノベル大賞』第1回開催のノベル&シナリオ部門にて、大賞作品『ホーリーアンデッド~非モテでぼっちの死霊術士が、聖女に転生してお友達を増やします~』と、優秀賞作品『主従そろって出稼ぎライフ!~このダンジョンには、オーガの坊ちゃんが有能メイドとひきこもっています~』の書籍がそれぞれ発刊。それを記念して受賞者ふたりの対談インタビューを開催。続刊情報のほかに、新たな展開なども盛りだくさんの内容に。キネティックノベル大賞の選考を行っているプロデューサーの魁と、書籍発刊を進めたパラダイムの担当編集を交えてのスペシャルトーク!
interview = Naomichi Tanaka
photo = Toru Izumisawa
PROFILE ―

ばーど【写真左側】
第1回キネティックノベル大賞 ノベル&シナリオ部門にて大賞を受賞。9月22日に『ホーリーアンデッド~非モテでぼっちの死霊術士が、聖女に転生してお友達を増やします~(受賞作品名:聖女様はイケメンよりもアンデッドがお好き?!~死霊術師として忌み嫌われていた男、英雄の娘に転生して〝癒しの聖女″となる~』を発刊し、小説家デビュー。吐息【写真右側】
第1回キネティックノベル大賞 ノベル&シナリオ部門にて優秀賞を受賞。9月22日に『主従そろって出稼ぎライフ!~このダンジョンには、オーガの坊ちゃんが有能メイドとひきこもっています~(受賞作品名:オーガの坊ちゃん、借金抱えてダンジョン経営! with いつも無愛想なサキュバスメイド!』を発刊し、小説家デビュー。魁
株式会社ビジュアルアーツのプロデューサー兼シナリオライター。Keyタイトルのシナリオを担当するとともに、社内のさまざまなプロジェクトを手掛けている。自分のものがどう評価されるのか、
読むに値するものなのかの指標

――おふたりは、これまでいろんな作品を読まれ、作家を志されたと思いますが、どんな小説をとくに読まれてきたのでしょうか?
ばーど 私は、好きな作家で言うと田中芳樹(※1)さん、京極夏彦(※2)さん、貴志祐介(※3)さんは、ほとんど揃えています。うちは昔テレビゲームを禁止されていたんですが、小説は買ってもらえたので、スティーブ・ジャクソン(※4)などのゲームブックを買って読みまくっていました。そこら辺から本に親しんでいたのかなと思います。ここから、『ロードス島戦記』(※5)であったりとか『ソード・ワールド』(※6)を読んだり。本自体は、当時学校で横山光輝(※7)の『三国志』が流行っていて、そこから吉川英治(※8)の『三国志』を読んで、それくらいから国語の成績が上がっていきました。それ以降はなんでも読むようになりましたね。最近読んでる本は漫画だと『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』(※9)とか、小説だとなろう作品(※10)が主ですね。
吐息 僕も似たような感じですね。読み始めたのは友人から借りた『ロードス島戦記』ですね。出渕先生(※11)のディードリットにやられ、当時ラノベという言葉がまだなかったころに、ファンタジー小説をよんでいました。そこから『スレイヤーズ』(※12)にとどめを刺されました。以降は今でいうラノベ作家の作品ばかりを読んでいて、お金がなかったので古本屋を駆けまわって角川スニーカー文庫、富士見ファンタジア文庫を読み漁り、これらのレーベルを一通り読んで、朝日ソノラマ文庫に行って、笹本先生(※13)の『ARIAL』にはまり、菊地先生(※14)の『エイリアン』シリーズにはまりと読み漁っていたんですが、就職などで時間も無くなり、ぱったり読まなくなりました。最近は昔読んでいた小説の電子書籍版を買って読んだり、電子になっていないものは古本で買ったり。最近読んでいるシリーズはやはり「なろう」ですね。
ばーど 『ソード・ワールド』……。
吐息 自分でシナリオを書いて、サイコロを振ってという感じですが。
ばーど 懐かしいですね。
吐息 当時はルールブックの存在を知らなくて、人数も集まらなくて、全部オリジナルでやっていました。
ばーど 私はソード・ワールドの設定集(ルールブック・解説書)をなめるように読んでいました。
吐息 僕はリプレイを読んでいました。私は読んだときによくわからなくて。当時テーブルトークを知らなかったんですね。キャラクター以外がなんでしゃべっているんだろうと思っていました。
――小説を書こうと思われた動機はどのようなものでしたか?
吐息 高校生の頃に、友人がPCでちょっとエッチなゲームを遊んでいたんですね。それが羨ましくて、でもお金がない。そこで祖父をだまして、学校の勉強で使うと電器屋にいって、僕もよくわかっていなかったんですが、PCを買いにいったはずが、ワープロ(※15)を買ってきてしまって……。しばらく高い年賀状印刷機になっていました。それではさすがにもったいないと、『ロードス島戦記』を読み、『スレイヤーズ』を読みとしていたので、高校2年の頃にスニーカー大賞(※16)に応募したんです。なけなしの小遣いでインクリボンを買って。それは落選だったんですが、それが最初に書いた小説でした。ですから、誰かにあこがれて小説を書こうと思ったわけではなく、目の前のこの機械を使おうと思ったことが動機でした。そのために僕はかな打ち(※17)なんです。ローマ字打ちを知らなくて。そろそろローマ字打ちを覚えようと今月から始めました。
ばーど かな打ちでもいいじゃないですか。かな打ちの方が速いですよね。
魁 ちなみにKeyの麻枝 准(※18)はかな打ちです。
――スニーカー大賞の応募から少し時間が空きますが。
吐息 そこからは、ゲームを遊ぶ方にいってしまいました。当時テキストサイトがメインで、そこでゲーム日記を10年くらい更新していました。文章は書いていましたが、小説はちょこっと書くくらいで、応募するとかは一切なく、それらはいまだにネットの海に漂っています。
――そこから再び小説を書こうと思われたのは?
吐息 コロナの前に友人から、仕事を新しく興すから暇だったら手伝ってくれと言われて。結局それはポシャってしまって時間が空いたんです。そのときたまたま「なろう」を知りました。書籍化された有料の小説が無料で読めるのはすごいと思って読んでいるうちに、昔あったな、こんな感覚と思って。今だったら募集もお金がかからないし、印刷する必要もない。それなら試しに書いてみようとプロットも立てずに書いたんですが、当時なろうのコンテストがあったんですね。それに応募したら、一次を通過して。そこからまともにプロットを組んで書いてみようと思って書いたのが『主従そろって出稼ぎライフ!』なんです。ちょうど8万字を超えたあたりで募集をかけていたのが、キネティックノベル大賞でした。完結が見えてから応募しようと思っていたので、タイミングがずれていたら、ここにいなかったですね。
ばーど 思い返してみたんですが、記憶にないんですよね。中二くらいから書いていたと思うんですが、きっかけすら思い出せない。私の場合ノートに絵付きでした。人に見せられない中二ノートですね。大人になるまで書いていたので膨大にありました。
――それはなにか応募するつもりで書かれていたのでしょうか?
ばーど いえいえ、そんな気はさらさらなく、ただ迸る何かを書き留めていたパンドラの匣のようなものです(笑)。
――それまで応募される気がないものを書かれていたのに、今回なぜ応募されたのでしょうか?
ばーど 私も吐息さんと同じで、ちょろちょろと自分のサイトにテキストを上げていたくらいでした。それがたまたまスーパー銭湯で『ログ・ホライズン』(※19)の放送を見て、原作を調べたら「なろう」でやっていると知り、読み始めて、じゃあ書いてみるかという流れです。それまでそんなサイトがあることを知らなくて、こんな書いたものを読んでもらえるサイトがあるなら、書いてみようと思ったのが最初ですね。
――おふたりとも「なろう」ありきなんですね。
ばーど 自分のサイトに載せても人が来ないので読んでもらえない。それが「なろう」ならどんな作品でも読んでもらえる。
吐息 まず人が来るということが感動でした。
ばーど 本当、おなじですね。アクセス1でも「すげー!」ってなる。
吐息 それまでは感想を貰うということがなかったので。
ばーど その延長線上に募集があると思うんです。自分のものがどう評価されるのか、読むに値するものなのか、その分かりやすい指標ですよね。
吐息 読むに堪える文章になっているのかというのはありますね。
――キネティックノベル大賞に応募されたわけですが、ビジュアルアーツというメーカーをごぞんじでしたか?
吐息 Keyはもちろん知っていたんですが、ビジュアルアーツは知らなくて。応募したあとで調べたんですが、Keyの子会社なのかなと思っていました。
――キネティックノベルはごぞんじでしたか?
吐息 それもゲームをほとんどやっていなかったので、知りませんでした。先ほどもお話しした通りで、たまたまタイミングが合ったことから応募したので、運も実力のうちといいますが、こういう運もあるんだなと思いました。ちょうど第一回の募集で、最初なら枠も多いだろうという目論見もありました。大賞がおひとりで、優秀賞が3人くらいいて、佳作が10人くらいかなと。二次の通過の連絡が来た時に、10数名残っていたんです。これだったら2/3の確率でいけるんじゃないかと仕事中にぼーっと考えていたんですが、結局4人ですもんね。思ったより少なかったです。
魁 ビジュアルアーツはただの会社で、その下にKeyといったブランドを作る集団がいるという形です。だからビジュアルアーツの作品はないんですよね。それぞれのブランドで作る作品の方向性が変わるんです。
ばーど すごいスキームですよね。だから僕らの本もどこかのブランドに付くのかと最初思っていました。
――ちなみに第1回の応募はどれくらいあったのでしょう?
魁 2,000作品なかったですね。応募はもっといただいているんですが、文字数が足りなかったりと応募条件を満たしていない作品も多くて、そういう作品は足切りされてしまうんです。第2回と第3回が約1,500作品、4回はちょっと下がって1,200作品、5回は書籍発売の話が世に出始めたりしたので約2,800作品。6回が約3,100作品でした。
ばーど 3,000作品以上はすごいですね。
魁 応募数が多い分、パッと読んだとき、これ文章としてどうなのか?という作品も多くなります。もちろん、一行で切ることはありませんが、しばらく読んで変わらないと落選となりますね。
ばーど 一次通るとちゃんと読んでいただけるものが書けてたんだなと思って安堵します。
魁 最初の選考は最低限読める作品。次は読み進められる作品かどうかです。日本語になっているのが大前提となり、続きを読もうかなと思えるか……など中身について選考していきます。キネティックノベル大賞は、他社の新人賞などとは異なり、「評価ポイント」が少なくても面白ければ通過させようというコンセプトでやっています。第一次で200作品くらいまで絞り込んで、そこから文章を見る二次が始まるわけです。
ばーど それがキネティックノベル大賞のすごいところですよね。ポイントで足切りされることも多いのですが、ポイント不問なところが応募増につながっていると思います。見つけてもらっている感が強いといいますか。
吐息 本当に読んでくれたんだと。賞が決まった時に自分の作品はブックマークが50無かったんです。一次通過、二次通過、そのあと名前が出てもブックマークは全然増えなくて。完結していたこともあるとは思いますが、少しショックでした。ポイントとブックマークが多い作品は、それだけで書籍化した時にも有利だと思うんです。そのことを謳えますし。だから商業的にリスクしかないと思っていました。
魁 応募を見て、書こうと思った人はポイント制だと不利なんです。
吐息 もともとの読者を抱えている状態の著者とはスタートラインがちがうので、一次通過しましたと言われた時に、本当にポイントとか関係ないんだと思いました。
ばーど ほかの賞ではなかなかないことですよね。キネティックノベル大賞の素晴らしさなのかなと。
魁 ポイントが大事なら、賞にしないで直接話をすればいいわけで。
吐息 そういうものだと思っていました。自分という前例があって、しかも早いスパンで募集が展開されているので、チャンスは多いと思います。
――「なろう」の作品はタダで読めるのが魅力ですが、自分が好きな作品が本として刊行された場合お求めになりますか?
吐息 僕はサイトと同じであれば買わないんですが、大幅改稿とか、先生によっては一巻まるまる書き下ろされていることもあって、そういう場合は買います。
ばーど 私はあまり買わない派なんです。なので買っていただくために大幅に改稿しています。自分があまり買わないので、買っていただいた方は神様みたいなものです。
本当に本が出るんだという感慨が
それまで疑心暗鬼なところも

――第1回目の作品が刊行されたわけですが、7回目が現在募集中です。刊行はいつか追いつくのでしょうか?
魁 ワープするかもしれない(笑)。刊行が受賞の順というわけではなくなる可能性があります。作家さんの改稿のスケジュールもあって順番通りは難しい。
――おふたりの作品をお読みになられた感想はどのようなものでしたか?
魁 『主従そろって出稼ぎライフ!』は、借金からスタートするつかみがわかりやすくて、オーガの坊ちゃんなのにゴーレム好きなのかという意外性と、隣にサキュバスハーフのエルフのメイドがいるというイロモノをくっつけてきたなというものでした。その組み合わせでどういくんだろうというのを楽しみに読んでいて、その後の展開も爽快感があって、「なろう」っぽいなと思ったんですが、ひとつ残念なのが、サキュバスハーフなのに色っぽいシーンが少ない。で、終わった時に「ちくしょう!」と思いました(笑)。
吐息 お色気は控えめな方がいいかなと思っていました。主人公の自己評価が低いんですが、簡単にくっついちゃうと物語が終ってしまうので……。
魁 ゴーレムに発情するくらいあるのかなと思っていました。
吐息 フェチ部分は師匠に振ってしまっているんです。脇役は何やってもいいと思っていまして。
魁 そういう意味で、やりたいこととキャラクターの個性がしっかりしていて、楽しく読み進められたのが評価のポイントです。足りなかったのはもっと性癖を出してもいいんだよというところです。
吐息 どうなんでしょうか。センシティブな描写というのは。
魁 個人的には安易なエロは好みではないです。ただ、そこにある程度のやり取りやせめぎ合いがあれば、意味のあるシーンであればいいと思っています。
――そして『ホーリーアンデッド』ですが。
魁 フェチという点ではぶちかましているなと。根暗なネクロマンサーが騎士と聖女に倒される冒頭は王道なんですが、ふたりの娘に生まれ変わってもアンデッド好きという部分はぶれていなくて、その部分が面白さを担保し続けているのかなと思っています。可愛い顔して黒さがあるところや、聖女の体を持つゆえに、強制的にターンアンデッドしてしまうという皮肉、それに涙していると周りは慈愛に満ちていると勘違いするというサクセスストーリーがすごくいいなと。後半の無双感も気持ちよくて、そういったところの評価が高いです。キャラクターの欲望が素直に出ているのでそこも気持ちがいい部分ですし、キャラ立ちがいいと思っています。大賞と優秀賞の差は、広がる世界と閉鎖された空間という対比で明暗がついたところがあります。
――書籍化に際してどのようなやり取りをされたのでしょうか?
ばーど 書籍化で一番覚えているのが、ふんわりとしかイメージしていなかったことを形にしていただいたことです。さまざまな設定を整理して決めたのが小説版になります。
魁 さまざまな設定ですよね。明かりに関しても魔法なのか油なのかとか。そこら辺を最初に詰めましたね。
――苦労はありましたか?
ばーど 苦労というわけではありませんが、なろうでの連載中は、日々ポイントを追いかけてスピード重視で書いていたので、後ろを振り返る余裕がなかったんです。改めて読んでみると色々と気になる部分が出てきまして、この機にそれを直せたのがよかったですね。毎回反省するんですが、私は書いたものが長くなる傾向があるんです。「なろう」だと長いと読まれないですからね。作家のスティーブン・キング(※20)が名言を残してまして、初稿から二稿は一割減らせとか3か月後に見直せとか。今回、時間を置いたことで文書を絞っていったり、足りないものを補完したりという作業が出来たことが、大変だったというよりは楽しかったです。
吐息 削ってほしいというリクエストがあったんですが、プロの方に見ていただいて完成度が上がることがわかっていたので、それは削りますという感じでした。ただ、どこを削るかは悩みましたね。章を指定されて、そこからどれくらい削るとか。最初は改行を無くして詰めたんですが、それでも足らなくて。
――イラストレイターさんはどのように決められたのでしょうか?
黛(パラダイム編集) 『ホーリーアンデッド』の刃天さんは、キネティックノベル大賞のイラスト部門受賞の方です。イラスト部門の選考時に、僕の方からファンタジーならこの方なので、ぜひ残してくださいとお願いしていました。キネティックノベル化が進んでおり、刃天さんにはキャラクターデザインをお願いしております。書籍の章の間にあるキャラクター紹介を見ていただければわかると思いますが、キャラクターの描き分けもお上手で、とてもうまくいったと思います。『主従そろって出稼ぎライフ!』のLLLthikaさんは、何人かの候補から選ばせていただいて、お声がけをさせていただきました。基準として、この方はメカも描けそうだということで、ゴーレムに期待してお願いしたところもあります。
――ところがあまりゴーレムがイラストにいないですよね。
魁 僕もゴーレムの姿が見たかった。
黛 ……実はカバーを外した本体表紙にいるんです。設定で主人公で2m、ゴーレムで2.5mとなっており、ひとつのイラストに入れるのが難しかったんです。
ばーど 私が見て思ったのは『ガンダム』(※21)とかお好きなのかなと。
吐息 それぞれ読んだ方がお好きなゴーレムを想像してくれるんじゃないかなと思っていました。ただ、イラストになってから作品に反映された要素も多くて、最初のイメージでは完全にロボでした。もともとは『装甲騎兵ボトムズ』(※22)系のものを考えていました。『ジャアントロボ』とか。重量感のある感じです。
黛 もっとメカっぽいデザインもLLLthikaさんには描いていただいたんですが、ストーンゴーレムにしようとなりました。
――イラストをご覧になっていかがでしたか?
ばーど 言葉に表せないくらい感動しましたね。お話を書く人たちにとっていろんな夢があると思うんですが、大きなもののひとつに自分が書いたものが絵になるということがあるのだと思います。特に自分は絵の才能がないので、こういう形で出てきたということが言葉にならないくらいの感動でした。デザインに関してはほとんど何も言っていなくて、聞かれたことに対して答えるくらいしかしていないのに、思っていた以上の素晴らしいデザインを出していただいて。頂いた絵は準備稿からの歴代をすべて宝物フォルダに入れています。
吐息 僕もほぼ同じですね。プロのイラストレイターがアマチュアもいいところの自分の作品に絵を付けてくれる。ラフを最初にいただいたんですが、その時は本当に言葉になりませんでした。ヒロインだけは具体的なキャラクター、既存作品のキャラクターのイメージをお伝えしてそれをアレンジしていただいて。ラフもツインテールやポニーテールとかいろいろいただいたんですが、最終的にもともとのものになりました。ぼっちゃんとゴーレムはまったくデザインがなかったので、当初三枚目で考えていたんですが、ヒロインが惚れる理由付けに美形設定が追加されて、髪の毛をどうするか、角をどうするかなどいろいろやっていただいて、最終的に今のものになりました。
――それは何回くらいのやり取りなのでしょう?
吐息 3、4回ですね。
黛 まずスーツという設定があって、そこに合わせました。あとは角です。どのような角にするか、別の形の案もあったんですが。
吐息 髪の毛が中分けになってしまって、あまりかっこよくなかったんです。
黛 まったくないというデザインではなかったんですが、あまり主人公っぽくなかったので。あとは、両作ともヒロインが銀髪なのをどうしようかと。避ける必要はないんですが、差別化を図るため、髪型などは工夫しました。
ばーど 私はなんでもいいからキャラクターのイメージを出してくれと言われて捻り出しました。多分聞かれなければ出すことはなかったと思います。
黛 主人公のユリィは難しいキャラクターで。中は男性のフランケルなわけですが、ユリィのときには、それっぽい表情にはならないんです。そこで結構意見の違いがありました。あとは、生まれた時から成長していく変化があるので、それに合わせながらという感じですね。地の文では死霊術士として表情豊かなんですが、それがイラストになると、可愛いままで。ユリィは相手と死後を約束することで強力なアンデッドとして配下にできる設定です。可愛い顔のまま、死んだら体を貰うぞ!とか考えているわけですから。
魁 下心があって善行に見えることをしているのに、みんなが持ち上げてくれる。
ばーど ネクロマンサーのときと、やってることは変わらないんですが。
魁 見た目がすべてですから。実際に、キネティックノベルの制作を進めていて、先にキネティックを出してから本を出そうというのがうちの馬場の案でした。ただ、キネティックは規模が大きいのと、本を次々に出さないといけなかったので、本が先に世に出たわけです。『ホーリーアンデッド』はキネティック化前提で、今回の範囲ですらキャラクターデザインは年齢差分も含めて40体近くいます。顔だけでいいくらいのキャラクターでも全身の設定を作っています。最終的にはアニメ化を目指す作品ですから、キャラクターデザインは先に作成して、世界観を固めておきたかったのです。
――イラストをご覧になられてから作品にフィードバックされたものはありますか?
吐息 たくさんあります。ゴーレムのデザインをいただいてから、関節の青い球に理由をつけたり。姫騎士の剣に鞘がないのも、アイテムボックスというスキルを新たに設定することで、鞘がないからこそ強い、という風にアイデアを出しました。結果的に戦闘シーンでもアイテムボックスを使ったものにして。そのおかげで文章量が増えました。逆輸入だらけですね。
魁 アイテムストレージはいろんなものを便利にしてくれた単語だなと。既存のコンピュータRPGでも実際にそんなもの持てないだろうというものをストレージに入れているわけで。今では亜空間ストレージの概念もあり、それをメインにしている作品もありますよね。
――表紙など装丁をご覧になられての感想は?
ばーど 表紙を見て最高だと思いました。これはつい手に取っちゃうなと。目を惹く素晴らしいデザインです。実際書店に並んでいるのを見て、一番目立つなと。これはジャケ買い必至だなと。購入された方の9割くらいはジャケ買いなんじゃないかと思ったくらい素晴らしく可愛い表紙だったと思います。
吐息 色もいいですよね。顔のアップで。
ばーど それに有頂天(エクスタシィ)とか帯に書いてあるじゃないですか。最初はキネティックノベル大賞受賞作とか書いた方がいいんじゃないかと思いましたが、表紙とセットで実際に見てみると今の形の方が目を惹いて最高だなと思いました。
吐息 僕も黛さんにロゴの入った表紙のデータをいただいて、これは本当にこのまま本が出るんだという感慨がありました。それまで疑心暗鬼なところもあって、これがこのまま書店に並ぶ?と考えました。実際並ぶんですが、それを実感した瞬間ですね。ロゴもすごく好きなんですよね。色合いといい、ロゴの大きさなどいくつか検討されていたようですが。
黛 目線の位置的に、この形でよかったと思います。
吐息 「なろう」っぽいですよね。タイトルがあって、下に長いサブタイトルがあるというのが。
黛 『ホーリーアンデッド』のロゴは、進めているキネティックノベルのものを、変形させて使っています。
ばーど すべてが素晴らしい。
コミカライズと音声コンテンツ化は
夢ですね

――書店に並んでいるのを見てどう思われました?
ばーど 正直、それまで信じ切れていませんでした。ならんでいるのを見て感動しましたね。しかもそれがすごく大きな本屋さんでもなく、家の近くの小さな本屋さんにもあって、この感動は言葉にならないですね。涙が出るくらいうれしかったです。
吐息 自分がよく行く本屋さんにあるわけじゃないですか、手にとっては戻し、手にとっては戻しを繰り返していました。Twitterのアカウントを持っていて、よく店頭を告知される作家さんがいらっしゃるじゃないですか、それをやろうか悩んでやめました。店長さんがお店にいて、僕の本がアイラインよりちょっと低いところに置かれていたんです。それをいって上げてもらおうかなとも思ったんですが、顔覚えられたら嫌だなぁと思って止めました。
ばーど ここだけの話、僕は本屋で置かれている位置を変えました(笑)。
魁 普通やりますよね。平台に置いたり。
ばーど やりますよね。しばらくしたら本当に平置きになっていて。あと、行ったこともない土地で売られているというのをネットで見るとそれも感動ですね。山形の書店さんがツイートしてくれてて。
――おふたりとも周りの家族などには内緒にされているんですか?
吐息 僕は内緒にしています。友人ふたりだけには明かしましたが。
――そのご友人の反応は?
吐息 ひとり目はKey大好きな友人で、出たといったら、「は?」といわれました(笑)。僕のハンドル名を知っていたので、吐息と書いてあるということとKeyの会社といったんですが、「は?」だけでした。多分リアクションが取れなかったんでしょう。もうひとりはネットでの付き合いの長い友達で「ま!」しかいわなくて。
魁 まじか!の「ま」なんでしょうね。
吐息 特典あるか聞かれたので、書店を教えたらその場で買ってくれました。そのふたりだけです。あとは受賞自体もいっていません。バレたらバレたでべつにいいんですが。受賞したのに本が出なかったら嫌だなと思って。それで言えずにずるずるしてしまいました。そこから言い出すきっかけを失ってそのままです。
ばーど 私は言いました。ただ受賞はしたものの本が出なかったら悲しいので、刊行されてから家族や友人、親族に話しました。
――ご家族の反応はいかがでしたか?
ばーど とても喜んでくれました。例の暗黒ノートも見られているので、あれがこうなったのね、という感じで(笑)。親族の皆さんも喜んで買ってくださったのですが……みなさんいいお年の方々なので、本屋に行って『ホーリーアンデッド』下さい、と言うのがなかなか厳しかったんじゃないかと(笑)。
――よくデビューされると家族が近所の書店に大量に注文して、周囲に配るというお話を聞くんですが。
ばーど ああ、僕はありました。実家近くの某書店には大量に注文が入っていると思います(笑)。
魁 形があるのは全然ちがうんですよね。電子だけの本と重みがちがう。
ばーど ネットだと直前で書籍化が没になった話とか結構あるんですよね。
――書籍化されて印税が入ったと思いますが、それで何を買われました?
ばーど ゲームブックです。自分の原点に戻りました。スティーブ・ジャクソンのこの本(『バルサスの要塞』)は新版も出ているんですが、旧版の古い絵柄が好きなんです。これじゃないと燃えない。なのでメルカリで買いました。
吐息 自分は賞金も含めて使っていません。口座を分けてしまっています。文章で得たお金をデータとしてとっておこうかと。ちょっと利子がついていますが。これが自分の文章の商業的な価値なんだと。
ばーど 気楽な感じで使いたくないですよね。
吐息 1万円でも全然別物ですね。
ばーど このお金は、どなたかが本を購入していただいたものですし、いろんな人たちのおかげというのもあるので、普通のお金とはちょっと違いますよね。自分の心に残るものにしか使いたくないですね。

――今後これらの作品はどのように展開されるのでしょうか?
魁 まず『ホーリーアンデッド』はコミカライズを考えています。そのための作家を選考中です。それとは別に両作品とも音声コンテンツを検討中です。朗読系でボイスドラマのようなものです。単なる朗読系ではなく、多少の掛け合いや効果音があるものと考えてください。掛け合いは声優さんによるものです。ですからト書きの部分は朗読で読みつつ、掛け合いは声優さんのお芝居であるということです。これは先に『主従そろって出稼ぎライフ!』からになります。『主従そろって出稼ぎライフ!』の方がキャラクターが少ないので(笑)。
ばーど えー、キャラクター減らしましょうか(笑)?
魁 と、いいますか。『ホーリーアンデッド』は声優をキネティックノベルに合わせるかどうかという判断もありますので。
――時期的なことは?
魁 これからですね。ただ、決まってしまえばそうかからずに作れますので、来年の早い段階でリリースできるのではないかと思っています。
ばーど コミカライズと音声コンテンツはもう夢ですよね。
吐息 コミカライズはすごいですね。
魁 受賞作は最低限、音声コンテンツ化までやります。馬場からは佳作までやれといわれているんです。佳作作品も書籍化する形で進めており、大きく改稿するかは作品ごとに検討しています。
――続刊はどうなるのでしょうか?
ばーど どうなるのでしょう(ドキドキ)。
黛 『ホーリーアンデッド』は、Webで読める範囲がありますから気になるかと思います。続刊は確定していますよ。
ばーど 2巻では、場面が変わります。服も変わります。そして新キャラが登場します。これまでの倍くらい出てきます。
黛 そのキャラデザが全部できているというのが恐ろしい……。
ばーど ユリィさんに、前世から含めて初めてのお友達ができるかもしれません。
黛 たいへん賑やかな学園編になります。
ばーど たくさん改稿しています。
――刊行の時期は?
黛 来年の春です。
――続いて、『主従そろって出稼ぎライフ!』はいかがでしょう?
黛 現在刊行されているもので、Web公開分が完結しているので、完全新作になります。プロットをいただいた段階で、すでに原稿を書かれていたそうで、原稿がもうあります。
吐息 海編、水着回です。
黛 人魚のお姉さんと坊ちゃんたちの話となっています。
吐息 肉体的接触が増えます。1巻の引きからの海ですので。
黛 ゴーレムのカスタマイズも登場します。これぞゴーレム的な展開になるかと思います。
ばーど ロボット的な感じですか?
吐息 パーツが変えられるので、「ゲッター2」(※23)やったり、「ゲッター3」やったりも今後は可能になります。
黛 もともと原作にあったのですが、LLLthikaさんの描かれた青い球体関節というところからインスパイアードされたゴーレムの設定もだいぶ固まりましたね。
吐息 そうですね。
黛 世界観を広げながら、ますます活躍していきます。パーツの差し替え、変形、ちょっとブロック玩具っぽい感じと言いますか。コアさえあれば何でもできる設定ですので、そこは工夫していただいています。吐息さんは設定が上手いのでそこがおススメになるかと。

――今後挑戦してみたいジャンルはありますか?
ばーど 新しいことをやりたいですね。二番煎じとか嫌なので同じ話よりも違う話、かつ流行りに乗りたくない、でも読んでもらわないといけないという絶妙な匙加減ですね。そこを突いた新しくてみんなに興味を持ってもらえる作品を書きたいと思っています。ただ、なかなかそういうテーマが見つからないんです。そこで苦労しています。だから10個くらい没になっている状態ですね。『ホーリーアンデッド』は設定だったりキャラだったりが自分の中で「いける!」と確信できた作品なので、そういう作品をもう一度書きたいですね。
吐息 自分は全然別のジャンルの作品を今年の頭くらいから書いていて、名義も別なんですが。恋愛ものです。いろんなジャンルを書いてみたいですが、ファンタジーに関しては吐息という名前でまた来年から頑張りしたいです。いろんな作品が書けるようになると、ほかのジャンルにも活かせるので勉強になると思いながら書いています。来年はファンタジーを書きつつ、また別のところでSFを書きたいと思っています。
――これから応募される方に向けて、どんな作品がキネティックノベルに向いていると思いますか?
魁 新しいものが欲しい。それにつきますね。強いて言うならあまり場面をころころ変えないで欲しい(笑)。小説ではよくあるんですが、文章主体だと好きなところに行くんですよ。家の中でも台所行ったり、トイレ行ったりするんですが、これをキネティックノベルにするのに全部描くわけにいかない。できれば背景を意識したものだとありがたいですね。ダンジョンだけとかだとキネティックノベルには向いてますよね。ただ、そこを縛ってしまうとこじんまりしたものになるので、キネティックノベル大賞としては、二番煎じでもいいけどネタとして面白いものが欲しいです。文章力がある方でネタとして面白い作品でも、書籍やキネティックノベル化の際には、プロットの整理やアイディアの追加、テンポの修正などで、改稿が絶対に発生します。文章力のない方にお願いすると、オリジナルよりつまらなくなって返ってくることが多いです。ですから最低限の文章力は欲しいですね。ただ受賞者の中には、ゲームのシナリオとして文章が書ける自信がない方もいらっしゃいます。実際、第2回の大賞受賞作品のキネティックノベル化を進めていますが、こちらに関しては、別途シナリオライターさんを立てて、キネティックノベルに併せた長さや展開に調整しています。そういう意味では、文章力は完璧なレベルを求めていないところがありますね。キネティックノベル大賞としては、新しい価値観を見せてくれる作品が欲しいですね。例えば、ヴァンパイアという既存の概念があるわけですが、それを別の角度からフォーカスして、新たな概念でありながら、これはヴァンパイアだなと思わせるそういう作品ですね。『主従そろって出稼ぎライフ!』は、オーガなのにゴーレムマスターなのかよ!というところとか。
吐息 奇抜な発想で、納得させられる何かということですね。
魁 先ほどのヴァンパイアに関しても、それは病気だったというのは昔からよく使われる手ですよね。今なら血液に擬態するはずのナノマシンが暴走し、支配されている人が理性を失いヴァンパイアと呼ばれているようになった……とか。固定概念と新しい概念の融合というか。そういう可能性の広がるものが見てみたいです。
吐息 逆に流行りはあまりということでしょうか。
魁 食傷気味ですね。安定はするんですが、そこになにか新しいものがあればいいんですが。無敵ものも、こういう理由で無敵であるとか、そこに新しいものがあって、納得できればいいですね。あるいはこの発想はなかったというか。
ばーど そういうものを探し続けていますが、なかなかでてこないですよね。
吐息 「なろう」のランキングはそういうもので埋まっているので。ポイントを貰おうとするとそういう作品になってしまうんです。そこでポイントに左右されないキネティックノベル大賞は最高ということになるわけですが(笑)。
魁 書籍小説ではなく、ゲームにあるものが声と音楽なので、そこら辺を活かせるといいですね。歌ものとかやってくれてもいいんですよ。歌ものを小説の段階で評価するのは非常に難しくはありますが。
――キネティックノベル大賞は今後どうなっていくのでしょう?
魁 現在はメディアミックス展開を前提とした賞として考えています。今もいろいろな展開の話がありましたが、次はアニメ原作になる作品でいろいろやっていきたいと思っています。第1回は「なろう」らしい作品が受賞となりましたが、選考作品には青春小説もありましたので、そういうものもウェルカムです。今後は映像化した際に映える作品が欲しいですね。音声作品展開がありますので、もしかしたら書籍の刊行より先に音声作品が世に出るかもしれません。よりメディアミックスに特化した賞になっていくと思います。
――この記事の読者には小説家の卵もいらっしゃると思います。その方たちに向けて、小説を書く際に大事にされていることを教えてください。
吐息 無理をしないことですね。嫌になったら書かない。書きたくなったら書けばいいと思っています。仕事でもそうですが、体を壊してまでやることではないかなと。切羽詰まっているときはあまり楽しい話も書けないでしょうし。
ばーど 今特に意識しているのは、自分の書きたいものを書くということです。筆が進まないときはだいたい面白くないので、そういうときは一度立ち止まって見直しています。その結果没になるものも多くて、10書いて1くらいしか載せていない感じでやっています。連載の途中でやめてしまうと読者もがっかりしてしまうので、連載開始前に「これは書き続けられるよね」と自分の心と相談した上で書いています。あとは先ほどもいいましたが、文書を極力短くすることです。シンプルに余計な飾りをつけずに読みやすくするということを常に意識するよう心がけています。
魁 小説ってもともとは書籍で刊行される高尚なものというイメージがあったと思うのですが、「なろう」のおかげで発表の場が増えました。昔はレーベルの賞に応募するくらいしか小説を書くすべがなかった。そこで受賞して刊行されるとなると完成した小説じゃないとだめで、そうなると賞を取るための作品しか書けず、好き勝手には書けなかった。そういう印象があります。それこそ審査する先生の趣味嗜好に合わせるといいますか。そこから脱却して好きなものを書けるようになって、それを評価してもらえるようになったんですが、反面「なろう」化しすぎてつまらなくなってきたなとも思っています。書くにあたって、自分が本当に書きたいものはこれなのかということを確認した方がいいと思います。流行っているからこれを書こうとやるとだんだん自分を見失うことになると思います。一番自分が楽しめるものを書くべきだということです。さらにそれを読み返した時に、自分で笑えるのか、泣けるのかというのを見直した方がいい。僕は自分で書いたものを時間をおいて読み返したときに笑えますし、じわっとくることもあるので、自分の心を動かせないものを書いても意味はないです。

――最後に読者にむけて一言お願いします。
吐息 皆さんも小説を書いてみませんか? 読み手から書き手へ、自分好みの作品が書けるようになると面白いです。今は簡単に発表できる場がありますので。昔、僕は男子校に通っていたんですが、恋愛小説を書いて学校の友人に読んでもらって感想を求めるという地獄のような体験をしました(笑)。ネットに出しても感想が来ないかもしれませんが、あんな思いをしなくていいというのは大きいです。物語を書く趣味はいつから始めてもいいんじゃないかなと。作品を書いてくださればそれを皆が読みに行くこともできますし。
ばーど 買ってくださった方には感謝しかありません。ただで読めるものをお金出して買うというのはすごいことだと思っています。刊行してくださったビジュアルアーツの皆さんは最初にお話をいただいた時から対応も素晴らしく、クリエイターの方々を非常にリスペクトしているのがわかって、そういう皆さんと一緒に仕事ができてうれしかったです。逆に応募する方々には安心して自分の宝物をだしてくださいといいたいですね。きっとちゃんと見てくださいますし、大事に扱ってもらえると思います。